大阪大学の伊藤寿記教授らは21日、慢性膵炎(すいえん)の30代女性から膵臓を摘出し、血糖値を調整するインスリンを分泌する組織「膵島」を取り出して本人に移植する手術に成功したと発表した。膵炎の患者に自家膵島移植を実施したのは国内初という。慢性膵炎の新たな治療法として注目されそうだ。
女性は、膵臓内の酵素が遺伝子変異によって膵臓を溶かしてしまう「遺伝性膵炎」と診断され、激しい腹痛で消化機能に障害が出て食事ができない状態だった。がん化するリスクも高く、7月に手術を受けた。
手術では、膵臓を全て摘出した上で、膵島を分離した。膵島は溶液に溶かして点滴によって肝臓に定着するよう戻した。術後の検査でインスリンの分泌を確認した。
国内の自家膵島移植はこれまで、膵臓の血管破裂や腫瘍の摘出といったケースで6例ある。慢性膵炎の患者への適用は海外で数例あったという。
今回の手術は膵炎を繰り返し発症するような患者に適用できる可能性がある。慢性化する前に膵臓を摘出して膵島を移植することで、症状の悪化を防ぐことができるとみている。
記者会見に同席した患者は「腹痛から解放されたことが劇的に変わった。制限されていた社会生活の幅が広がった」と話した。
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